シェアハウスあれこれ

不動産投資としてのシェアハウス経営4つのメリット

「テラスハウス」などのバラエティ番組や去年の水川あさみさん主演のドラマ「シェアハウスの恋人」(少し前では長澤まさみさんがDV被害に苦しむ女性を演じるなど過激な展開が話題となった「ラストフレンズ」もシェアハウスを扱っていましたね!)など、テレビ番組の題材として取り上げられることも増え、認知度の広がっているシェアハウス。
様々に話題になるにつれ、不動産オーナーや投資家の方の中にはシェアハウスの経営にチャレンジしてみようかと検討している方も増えているのではないかと思います。

そこで今回は、シェアハウスを経営することには不動産投資の観点からどのようなメリットがあるかを具体的に挙げてみたいと思います。

シェアハウスの投資メリット①【収益力】

他の不動産投資と比べたメリットで一番大きいのはやはり収益力です。

シェアハウスはスペースを分散化し、1つ1つのスペースの賃料を下げることにより、スペース全体の最大収益を高めることができる入居者にも経営者にもメリットが大きい仕組みです。

例えば賃貸アパートで「6畳ワンルーム・月6万円」が平均的なエリアがあったとします。そこで同一エリアの中に一戸建て住宅で「6畳3部屋+リビング」の物件があったとして賃料を「月18万円」取れるかと言うとそれは難しいのが現実です。
物件の広さと賃料は正比例しませんし、そもそも賃料18万円を払える人(具体的には一戸建ての賃貸を望む家族世帯)の需要がそう多くはありません。実際には築古物件であれば月12万円前後の賃料を取れればいいところでしょう。

シェアハウスはそのスペースを分散化することで一棟貸しの賃料より高い収益を目指すことができます。家具やデザインに付加価値をつけることでワンルームよりも高い賃料を獲得できる例もあります。
昨年ニュースとなった脱法ハウスのように、この分散化も行き過ぎれば遵法性を含め様々な問題があり単純に部屋数を増やせばいいという話ではありませんが、確かな専門知識に基づき健全・適正にスペースの分散化を行えば、賃料を需要が見込めやすい価格帯に落とし込み、トータルの収益を最大化させることができます。

シェアハウスの投資メリット②【収益の安定性】

不動産投資をする上で最大の心配は空室リスクです。賃料10万円の物件も空室になってしまえば次の入居者が入るまでまったく収入が無いままコストだけを払い続けなければなりません。空室がしばらく続くとオーナーも不安のため必要以上に賃料を下げることを検討したくなる傾向があります。

しかしシェアハウスの場合には全員が同時に退去することはまずありません。1人が退去しても他の入居者が残るため、収益ゼロの期間が長期に及ぶリスクを回避できます。次の入居者が入るまで物件維持コストで一定期間赤字になる等の心配無く、安心して物件運用を行うことができます。
各部屋単位で考えても、一棟貸しに比べて賃料が抑えられているため、次の入居者が見つかりやすく空室期間が短くなります。この点も収益の安定性に寄与しています。

シェアハウスの投資メリット③【集客力の高さと多様性】

シェアハウスには様々な方が入居されます。賃料を安く済ませたいという方もいれば、女性一人では心配だからという方、仕事が忙しいので寝るだけのスペースがほしい方、国際交流や人脈を広げることに興味を持っている方、1人暮らしでは手の届かないワンランク上の住環境を望む方など目的は本当に様々です。

そういった方々に対してインターネット等を通じて様々な形でアプローチできるため、比較的入居者が早く決まる傾向があります。
実際に弊社でもありがたいことにこれまで運営のお手伝いをしてきたシェアハウスが長期間空室を抱えたというケースは見当たりません。
これはシェアハウスが増えてきたとはいえ、まだ現在のところやや売り手市場の状況にあることも一因していますが、そういった状況も含めて集客力の高さは非常に大きな投資メリットの1つといえます。

シェアハウスの投資メリット④【応用力】

前項とも重なることですが、シェアハウスには様々な目的を持った入居者が集まるため、様々な形でハウスデザインを考えることが可能となります。

そのため、これまで賃貸物件としては入居者が集まりづらかった物件をリノベーションや企画力によって高収益物件に変えてしまえる応用力があります。
もちろんそこにはシェアハウス特有のノウハウの必要性や運営管理の煩雑さが実際には伴いますが、それはまた別の機会にお話し出来ればと思います。

弊社の実例としても、賃料10万5千円で空室がずっと続いていた築数十年の一戸建て物件をシェアハウスにリノベーションしたところ賃料の総計が18万円を超える物件になるなど様々な成功例があります。

まとめ

シェアハウスは着実に日本でも広がっている新たなニーズであることに疑いはありません。米国などの海外では他人とシェアして1つの物件に住むことはよくある居住形態ですので、日本ではまだまだこれからのものともいえるかもしれません。

国内でのシェアハウスは近年急速に注目を集めた新しい形であるため、脱法ハウスなど様々な問題やトラブルが指摘され始めているのも事実です。
不動産投資には大きな決断が伴いますので、当然その判断には慎重なスタンスが求められますが、今回の記事が投資家やオーナーの方にとってもまず新たな物件運用の可能性としてシェアハウスを捉える材料の1つになれば幸いです。

実際にシェアハウスとして物件運用を行う難しさやリスクについては今後このブログ内でも触れていきたいと思いますが、次回は引き続き、不動産投資の観点から始めの1歩として「シェアハウス物件の選び方」についてお話したいと思います。