シェアハウスあれこれ

空き家・空室対策としてのシェアハウス経営 ~シェアハウスに活用しやすい物件とは~

「テラスハウス」は終わってしまいましたが、いまだに消えないシェアハウス熱。ドラマのようにオシャレなシェアハウス、同じ趣味の持ち主が集まるコンセプト型のシェアハウス、国際交流ができる海外の方が多く住むシェアハウス、様々なシェアハウスが新しく作られています。
空き家・空室対策の一つとして不動産オーナーや投資家の方の中にも、物件をシェアハウスにと検討されている方がたくさんいらっしゃいます。

今日は、そんな空き物件をシェアハウスに転化する上でのポイントを挙げてみたいと思います。

空き家・空室対策としての効果はあるか

シェアハウス経営を検討されている方が最初に気になるのはこの点かと思います。こちらについては「ある」と言えます。

もちろん物件の形状や地域的にシェアハウスに向かないケースはございますので、全ての物件がシェアハウスにした方がいいとはいえません。しかし、空き家や空室になっている物件には必ず原因があります。その原因の解消にシェアハウスが寄与できるケースは多くございます。

一番大きなポイントはやはり部屋数の増加または世帯の分離による賃料の減額です。

詳しくご説明しますと、ワンルーム物件などをシェアハウス化する場合、トイレや風呂等共有部分が増え個室部分が減るため部屋数が多くとれます。そのため、各室の賃料を下げてもトータルの収益を確保できるため、より多くの客層にアプローチできます。

また、一戸建ての物件をシェアハウス化するような場合は、一家族で3LDK貸すよりも3人に一部屋ずつ貸した方が最大収益も満室率もともに向上するケースが多く見受けられます。

またその他のポイントとしては、客層が変わることが挙げられます。一戸建てを探している客層とシェアハウスを希望する客層は異なります。その地域、物件の形状が家族にはアピールしづらいものであっても、シェアハウスを希望する客層には魅力的なケースがございます。

シェアハウスリノベーションをする上で重要なポイントは

空き家・空室対策に効果が見込まれるシェアハウスですが、シェアハウスにしやすい物件としづらい物件がございます。ここではその点についてお話ししたいと思います。

もちろんご予算をかければどのような物件であってもシェアハウスに最適な形にすることはできますが、空き家や空室で悩まれているオーナー様に過度の負担を強いることになりますので、ここでは出来る限りリノベーションに予算をかけない方法について考えていきます。

まずどの物件にも共通しているポイントとしては、部屋が共有部分と直結しているかどうかです。つまり、roomBに行くのに必ずroomAを通らなければならないなどの制約がある物件はシェアハウスにしづらいです。家族であればどちらか一方をみんなの部屋にして奥を寝室にするなどもできますが、他人同士で必ず他の人の部屋を通らないといけないとなると落ち着いた生活がお互いにできません。

その他に、各部屋に窓がきちんと取れるかどうかがポイントです。窓の設置は義務付けられていますし、窓がなければ緊急時に避難することができません。窓を適切にとることができなければ、部屋数を増やすこともできませんし、賃料を下げつつ収入を増やすことが難しくなります。

この二点がまずシェアハウスを検討していく上で最初に考えなければいけないポイントです。この二点を考えながら、地域特性や駅からの距離など様々な要件について検討していくことになります。

シェアハウスにしやすい物件とは

様々なケースがありますので、必ずしも当てはまるわけではありませんが、やはり社員寮や学生寮、介護施設などがシェアハウスに転化しやすい物件だといえます。

またアパートなども一棟ごと変更する上では容易だといえます。やはり近隣の方との兼ね合いもありますので、自己完結している物件がシェアハウス化に向いている物件です。

一戸建ての物件は、一番ケースとしては多いのですが、形状がそれぞれまったく異なるため、シェアハウス化しやすい物件もあればしづらい物件もございます。

しかしなかなかシェアハウスにしづらい物件であっても、創意工夫によりまた新しい輝きをもたらし、新しい利用者と新しい生活がそこで生まれていくことがシェアハウスの管理者や設計者のやりがいであり楽しみでもあるのではないかと思います。

まとめ

シェアハウスは、地域や物件の特性を十分に考慮したうえで転用を行えば、価値が小さくなった物件に新たな価値を創造して収益を伸ばすことが出来る空家・空室対策として非常に魅力的なアプローチの1つとなり得ます。

入居者目線から考えても、シェアハウスは入居の初期費用や賃料、水道光熱費を低く抑えるなどワンルームにはない強い魅力を持っています。また海外からの帰国者、日本に来て間もない外国籍の方、所得状況が厳しい方や無職の方などワンルームの入居が難しい方にとって、新しい仕事に就くなど生活が安定するまでの期間における大切なライフラインになりうるという面もあります。

入居者の安全に支障がでかねない問題は是正し、入居者とオーナー双方にとって有価値なシステムになっていけばと思います。